荒野の恋人たち 第56話
「レオン……本当は選ぶつもりなんてないんじゃないですか?」 「ああ、半分はな。だがお前に持たせてもいいと思える銃がないのも事実だ」 何だかんだと難癖をつけて6軒目の店から出た後、それまではただレオンの好きに任せていたシ…
「レオン……本当は選ぶつもりなんてないんじゃないですか?」 「ああ、半分はな。だがお前に持たせてもいいと思える銃がないのも事実だ」 何だかんだと難癖をつけて6軒目の店から出た後、それまではただレオンの好きに任せていたシ…
ランスバックから離れると街道は急激に寂れてゆき、4人は再び牛を追って乾いた土地を南へと下る。 「違う、もっと肘を真っ直ぐ伸ばせ。曲げてると当たらんぞ」 夕食を摂ってから夜番を始めるまでの僅かな時間、シャンティはレオン…
一方焚き火の傍に残ったシャンティとクライヴの2人も、夜は更けていると言うのに不思議とすぐには寝つけないでいた。しばらく前から夜の冷え込みは徐々に厳しさを増しており、彼女は揺れる炎を見つめながら燻る灰をかき回す。 本来…
それから数日の間に小さな集落を1つ越えると、一行は故郷とどこか似た雰囲気を持つ町にやって来た。南の空に薄っすらと見え始めている小高い山々は、ランスバックとはまた違う鉱山地帯の始まりを示し、4人の目指す街はもうその先にあ…
「ずいぶんと時間がかかっちまったな、悪かった」 微調整を終えたレオンは汚れた手を洗いながら振り向く。時計を見やればもはや時刻は深夜を回ろうとしていたが、シャンティはなぜかその時間を全く長いと思わなかった。旅立ってすぐの…