荒野の恋人たち 第71話
馬は優れた嗅覚を持ち、時には自らの主人の心の動きさえをも知るという。人間には到底真似できない彼らのこの能力なしに、限られた時間で行動することは不可能だっただろうが、離れてなおレオンに忠誠を誓っている彼の黒馬は、シャンテ…
馬は優れた嗅覚を持ち、時には自らの主人の心の動きさえをも知るという。人間には到底真似できない彼らのこの能力なしに、限られた時間で行動することは不可能だっただろうが、離れてなおレオンに忠誠を誓っている彼の黒馬は、シャンテ…
自身の命ももはやこれで尽きるかと思われたその瞬間、あり得ない場所から突然姿を現した1人の女。それが死ぬ前に一目でも逢いたいと願わずにはいられない、そんな相手だったことを喜ぶべきか憤るべきなのか、考える時間は残念ながら持…
彼がそうだと信じた通り、片眼に眼帯をかけた男は相手の姿を目にしても、手にしていた長い銃を構えそこから火を吹きはしなかった。ここから先は男同士のプライドを懸けた戦いであり、ここから後戻りするための道など1つとてありはしな…
「フォートヴィルでひと段落したら申し込むつもりだったんだが……生きてもう1度お前の顔を見たらこれしか出てこなかった。雰囲気がないのは許せよ、あの場で言わずに場所を移すだけで精一杯だったんでな」 相手が何か話していてもシ…
「シャンティ……」 名を呼ばれると同時に心が震えるようなキスが落とされ、柔肌に触れる手はその先を待ちきれないと言わんばかりだ。情熱的な口づけに深く応える女の足元には、ようやく全ての釦を外されたシャツが音もなく舞い落ち、…