荒野の恋人たち【完】

荒野の恋人たち 第46話

 彼女が心に負った傷を少しでも和らげられるように、そして願わくばこの想いがほんの僅かでも伝わるように、レオンは持てる限りの真心と共に口づけを繰り返す。シャンティは彼を突き放し、何をするんだと頬の1つも打つことはきっとでき…

Read More »

荒野の恋人たち 第47話

 一方その頃もう1人の当事者たるうら若い娘は、建ち並ぶ厩舎の端にある井戸の水で顔を洗いながら、自分の身に起きたばかりの出来事について振り返っていた。 『俺の名はレオンだ、シャンティ』  彼が紡ぎ出す低い声、静かな情熱が燃…

Read More »

荒野の恋人たち 第48話

 小さくも手厚い看護が自慢の医院にゴードンを残し、4人は翌日の昼下がりに再び南へと旅立った。全てが終わったら必ず戻ってくると誓ったシャンティに、老牧童は背を向けたまま顔を見せるなと返しはしたが、その肩が震えていたのは怪我…

Read More »

荒野の恋人たち 第49話

「お……お、嬢!?」 「おはよう、テディ。どうしたの?」 「いや何だ、その……さ、最近ちゃんと寝られてるか?」 「?」  明くる朝、朝食の準備をしていたシャンティを見るなり、テッドが上げた声は彼らしくない素っ頓狂なものだ…

Read More »

荒野の恋人たち 第50話

 大きな道を進めば次の町までは意外に近いものだ。2週間近く人里離れた荒野で野宿をした身には、旅人や駅馬車とすれ違うことも多い今の行程は、安心できると同時にそこから先の見通しも立てやすい。  前の街から5日の後に訪れた町に…

Read More »
1 7 8 9 10 11 12 13 16